日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年10月24日まず自分で考えよう!


★ある会議で感じたこと


先日、ある会社の会議にオブザーバーとして出席しました。

その会社はコロナ感染以降、在宅勤務が中心となっています。コロナが終息した現在、事務所に出勤する日を増やすべきか否か、ということがその会議の議題でした。

この議題の起案者は簡単に現状の勤務状況を説明した後、「皆さん、どうしたらいいと思いますか? 自由に意見を出してください」と発言を促しました。

私はこの様子を見ていて「この会議は意見がまとまらないだろうなぁ」と思ってしまいました。

この議案の起案者は問題提起だけして、自らの案を示していなかったからです。

この進め方では、参加者が好き勝手な話をしてしまい、意見がまとまらない可能性が高いのです。

また、意見を勤務態勢のどの面に焦点を当てて考えればいいのか不明確なので、意見が言いにくいと感じる人もいたと思います。

案の定、この会議では参加者がそれぞれの考えを話し始めて、結局、意見をまとめられませんでした。

 

 


会議終了後、起案者にこの議題をなぜ提示したのか確認しました。

すると、ある取締役からこの件について皆を意見を聞いておいてくれと言われたので出した、という回答でした。

この起案者は「人から言われたことをやった」だけだったのです。

しかし、これでは仕事になっていません。仕事では自分なりの「付加価値」をつけることが必要です。

役員に指示されたとしても、その件について自分なりに考えて、判断に必要な要素を考え、比較検討して結論まで出すべきです。

そこまで準備して会議に提示すれば、参加者も意見が言いやすく、効率的・効果的な会議ができます。起案者はまず自ら考えることが必要です。

まず自分で考えることが肝要なのです。

 

★あなたはどうしたいの?という問い


まず自分で考える、ということは、会議以外の場面でもとても大切なことです。

例えば、あなたが取引先から「新たに商品を発注するけど3日以内の納品が条件だ」と言われたとします。

売上が増えるのはとてもありがたいのですが、3日以内に納品するためには、他のお客様の納期を伸ばしてもらう必要があります。

その取引先は以前から大口の発注をしてくれる重要顧客です。

どうしてよいかわからず、あなたは上司に相談したところ、上司からこう言われました。

「で、君はどうすればいいと思う?」

上司のこの言葉を聞いたあなたは心の中でこう思うかも知れません。

「えっ、だって、わからないから聞いているんだけど」

しかし、こうした時でも、まず自分なりに考えることが重要なのです。


★「この考えで良いでしょうか?」と確認する


上の会議の例や取引先との交渉の例のように、仕事をする上では

「どうしたらいいでしょうか?」

という言葉は極力控えた方がよいでしょう。

どうしたらいいか人に聞く前に、自分なりに調べたり考えたりすべきです。

そうすると、

「この考えでよいでしょうか?」

という話し方に変わってきます。

この話し方だと、相手も格段に判断したり助言したりしやすくなります。

しかし、とても残念なことに、世の中には「どうしたらいいでしょうか?」という質問をする人がとても多いのです。

本当にどう考えればいいのかわからない、ということもあると思いますが、大半は自分で考えていないケースが多いように感じます。

どんな場合でも、まず自分なりに考える。

そうすれば、ご自身の思考スキルが向上しますし、ビジネスコミュニケーションも格段に生産的なものになるでしょう。

 

★話し方を学びませんか?


日本話し方センターには「話すことは考えること」という言葉があります。

事前にしっかりと考えてから話すと、言いたいことが格段に伝わりますし、余計な話をすることも少なくなっていきます。

ベーシックコース2日間集中コースでは、2分間のスピーチを事前にしっかり考えて原稿を作り、それを繰り返し声に出して練習します。

これによってわかりやすい話をするために必要な、事前に考えるコツを掴んでいただいています。

ぜひ日本話し方センターで話し方を学んでみてください!
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